「感性×AI:人の行動の裏にある〝想い〟を解析し予測に役立てるSENSY株式会社にインタビュー!」

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Forecast Tech企業インタビュー記事第4弾は、感性を学習するパーソナル人工知能を使ってサービスを展開するSENSY株式会社 代表取締役CEO 渡辺 祐樹氏に2つのサービスについて詳しく教えていただきました!

提供サービス概要

SENSY Marketing Brain(MB)
予測対象:感性解析を軸に購入者/購買アイテム/クロスセルなどを予測
利用事業者:アパレル、化粧品通販企業など
利用シーン:マーケティング
主要利用技術:感性工学×ディープラーニング

SENSY Merchandising(MD)
予測対象:商品需要予測利用事業者:アパレル、小売(スーパーマーケット、ドラッグストア)など
利用シーン:商品発注・仕入などのMD計画を最適化
主要利用技術:感性工学×ディープラーニング

ーSENSY株式会社について、何を実現する会社なのか教えてください

SENSYという名前の語源でもありますが、〝人のセンス・感性を解析する〟ということをやっています。人の感性を解析をし、人の行動や気持ちを予測することが僕らのAI解析対象の部分です。

一人ひとりのお客様の気持ちが分かると、ダイレクトに需要予測ができるので、在庫の最適化に繋がったり、どういうコミュニケーションを取ればお客様の心が動くかが分かると、マーケティングの最適化ができる。そういったことをサポートしている会社です。

ーデータ解析方法ですが、過去のデータを機械学習して予測する、といった一般的な方法とは違うのでしょうか

もちろん天候などの過去データも使いますが、あくまで、天気がどうなると〝お客様の行動がどう変わるから〟物がどう売れていくか、というアプローチをしていくのがSENSYのやり方です。
単純な話でいくと「雨が降ったらお店にいくのやめようかな」と思うじゃないですか。
そこで、一人ひとりのお客様のデータを持ってきて、その行動パターンと天候との関係性を見ると、天気が悪いと買い物に行かない人も多いけれど、天候関係なく来てくれるお客様もいることが見えて来ます。

データをマスで見ていると、一人ひとりのお客様の行動が無視されてしまうのですが、上述のように一人ひとりの行動を見ていると細かな分析ができるのでより需要予測の精度が上がります。

物事の因果関係の間には「人の気持ち」が隠れている

ーインプットデータとしては個人の行動データですか

個人の行動データもそうですが、行動を起こすまでに、どういう物を見たり、読んだり、体感をしたかというデータをたくさん集めてきて、個人の行動を説明していくことをやろうとしています。

こういったアプローチ自体は「感性工学」という学問がベースで、その考え方に、AIやディープラーニングを取り入れて実現しています。

ー色々な方向からデータを集めて組み合わせているのですね

そうですね。天候と物の売れ方に関係性はあるが、そこにダイレクトな因果関係があるかと言われればそうでもない。「天候と行動に関係性があるのは、その間に人の気持ちが隠れているから」で、天候がお客様の気持ちや行動に影響を与えるので、それの集大成として物がどう売れていくか、動いていくかは関係している」というのが僕たちの仮説。

お客様一人ひとり気持ちを説明していかないと、本当の意味でも因果関係を説明できないと思っています。

お客様ごとに視点を変え、響くアプローチを

ーSENSY Marketing Brainについて教えてください

DMやはがきを送る際に、「どういうタイミング・内容・商品をご案内するか」というマーケティング全体をパーソナライズすることを目指しています。

この商品を来月売りたいんだったら、どのお客様にアプローチをするのがいいかというターゲティング機能や、どのようなクリエイティブや訴求のメッセージで提供すればいいかといったことを最適化するような使い方もあります。
お客様に合わせて同じ商品を同じタイミングで訴求するのでも、どういう視点から訴求するのが一番響くのかということをピックアップをさせるということをやっています。

-例えばどのようにやっているのでしょうか

例として、洋服を売るためのメルマガだと、人がどういう視点で洋服を選んでいくのかといった場面からピックアップするメッセージが変わります。

価格を重視して、安い物に飛びつきやすいという人が居ると価格面やお買い得感を出していき、トレンドを重視する人であれば、流行りの商品を打ち出す訴求の仕方を。
見ている視点や大切にしている嗜好性に合わせて選択しています。

一人ひとりの嗜好性を分析し、売れる商品を予測する

ーSENSY MDについて教えてください

こちらは、「商品」の需要予測をするというソリューションです。
今まで統計や経験、勘などに頼っていたところを、お客様一人ひとりの嗜好性や購買タイミングなどを感性としてパーソナル人工知能に学習させ、何着仕入れればいいのか、どこの店舗に在庫を持っていければいいのかなどをサポートし、無駄のない在庫コントロールを実現しています。

ー勘で仕入れていたら余剰在庫がすごそうですね

アパレルは世の中で必要とされる量の倍作って、半分は無駄になる業界なんですよ。その問題を改善したいというのが、起業した理由でもあります。企業側の活動と生活者との間のコミュニケーションや在庫などのミスマッチを解決したいですね。

ー現在どれくらいの企業が導入していますか

40社ほど導入いただいており、うち1/3がアパレル企業です。その他は、スーパーマーケットやドラッグストア、百貨店にも多く採用いただいています。また、社会問題になっている食品の廃棄ロスなどの解決策としても導入してもらっています。

ー予測するときに自社のパーソナルデータはどれくらい必要ですか

作り方にはよりますが、ID-POSデータ(いつ何を買ったか)は3年分ほど必要になってきます。

例えば、スーパーはポイントカードが発行されていますよね。来店客の8割ほど会員なんですよ。そのポイントカードにパーソナルデータが紐づいているので、購入履歴など追うことができます。スーパーは頻繁に来店するお客様が多いので、たくさんのデータが集まりますよね。

メーカーなどは直接エンドユーザーとやりとりしていないので、うちで持っている世の中の消費者データを活用しソリューションを提案していこうとしています。

ー予測精度についてはどのように考えていますか

例えば、Tシャツが100枚売れると予測して、結果何%くらいずれていたかというのが予測精度としてみています。余剰在庫や品切れが減るなどの、多すぎる・少なすぎるをできるだけ抑えるために精度を高めています。

様々な企業が使える感性解析プラットフォーム作りを目指す

ー今後の方向性について教えてください

小売、サービス業や、そこに提供されるような商品を作るメーカーなどがターゲットになってくるかなと思っています。最近では食品・日用品メーカーは少しずつ増えてきていますし、クレジットカード会社、保険など金融のお客様もいらっしゃいます。

先で目指す社会としては、人の気持ちや感性を解析するプラットフォームを社会インフラのような形で作って行きたいです。色んな企業が活用できるプラットフォームを作ることができれば嬉しいですね。

ー最後に、新しい分野Forecast Techについての今後の期待など、一言いただけますでしょうか。

Forecast Techは今後様々な産業で浸透していくことは間違いないと思います。
SENSYは人の行動予測を軸に、小売業界の変革を実現していきます!

筆者コメント
 SENSY独自の技術「感性工学×AI」は業界を問わず活用できそうで、その可能性にこちらまでワクワクしてしまいました。この技術が普及することで、私たちの消費活動やライフスタイルが大きく変化していくのではないでしょうか。今後の拡がりがとても楽しみです!渡辺様、ありがとうございました!